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愚管抄

宇治の左府は、馬に乗るに及ばず、戦場大炊御門御所に御堂のありけるにや、つま戸に立そひて事お行ひて在けるに、矢の来りて耳のしもに中りにければ、門辺にありける車に、蔵人大夫経憲と雲者乗り具し申て、桂河に行て、鵜船にのせ申て、こづ河へ下して、〈○下略〉