[p.0676]
江戸真砂六十帖

深川法善寺偽竜灯之事
深川法善寺うしろは、其頃漫々たる海なり、〈○中略〉夏の頃、夜談義して大勢が参詣す、ある時竜灯が上るといひ出しける、〈○中略〉夫およく〳〵きけば、茶舟に乗り、長き竹の先へ行灯お結付て、遠く冲へこぎ出して、折々上へ竹おあげるよし聞て、殊勝もさめたり、