[p.0680]
和渡船用集
五/舟名数江湖川鼎
伝道舟(○○○) 伝道は往古より呼来る船の名、能利にかなへり、易曰、舟楫之利、済不通致遠、以利天下、不通お済、伝道也、又伝通とも申べし、此利に寄て名る者也、今たゞ天道と申は、其故おしらず、音によつて誤る者か、或は天舠舟、〈○中略〉是又舠の字によつて書たるなるべし、二百斛にかぎらば、さもあるべきこと也、百三十石、四拾石積おも天舠と雲、しからば舠の字、解せざる上、天の字、何に寄て書たるや、又海舟に伝道あり、積所二三十石、五六十石にすぎず、天舠の字音に寄て誤らば、天道と書くも同じ誤りなるべし、