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和漢船用集
四/舟名数海舶
千石船 荷船は、和漢ともに石数お以て呼、今長崎入津の唐船は、みな斤目お以て呼、すべて唐船は石数およばずと雲は非也、大学衍義補に、造一千石舟と見へたり、又字彙曰、二百斛曰舠、三百斛曰艇、同頭書に曰、三百斛お〓といふ、〓は貂也、貂は短也、江南に名づくるところ、短してひろく、やすふしてかたむき、あやふからざるものなりといへり、本邦荷舟のつくり、これに同じ、又唐船石数お呼、帆桅の数お呼こと武備志に見へたり、本邦石数お呼者おほし、何拾石より何百石何千石にいたる、又帆桅の数はなきゆへ、その船にかくるところの帆の布数お呼で名とす、船法規矩に、帆掛りありて、早船にも荷舟にも大法定有、猶船のつくりやうにて、帆数のちがひあり、