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和漢船用集
四/舟名数海舶
三枚帆(○○○) 帆お以て名とする者、至て小船なる者也、其大船に及ては、三十端余に至る、枚は端と同じ、何端幾幅といへり、船法の巻に曰、十端より二十端までは(○○○○○○○○○○)、あたけと雲(○○○○○)也、又くはいてうせん(○○○○○○○)となづけていふ事口伝多し、しらざる者は、ふときもほそきも、みな〳〵船といふことひが事也、九端より五端帆迄は、船と雲事猶也、其余は、何船か船といみやうあるべしといへり、案に、是自分の記錄と見へたり、証とするにたらずといへども、ついであるお以てしるす、〈○中略〉本邦は、大船といへども、本帆、弥帆の二桅にすぎず、小船なれども、摂州尼崎の猟船に三桅お用る者あり、其外一桅のみにして、帆桅の数はなきゆへ、其布数お呼て名とする者也、