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和漢船用集
十一/用具
帆半(ほげた) 木邦の帆柱は、皆角柱也、半といふべからず、桁は丸く作りて、誠に竿のごとし、帆おかくる帆桁也、衣桁と雲の類也、順和名抄の説にしたがふべし、〈○中略〉桁打廻(○○○) 大船には竹おあみて、ほげたの真中に打廻し、檣の当にして、帆のあげおろし、早き様のすべりに用、
打廻(○○) 檣の打廻也、帆桁に付て、嗇のすべりにする者也、連歌産衣に、ほつゝしめ縄の後注に、檣お立、帆お上る時、堅き木おみじかくけづりたるお簾のやうにあみて、はしらおまはし、はしらおすべらかし、しめのぼす物あり、船のことばに、猿すべりといへるものかと注せり、和歌八重垣には、舟の檣に筒おつけて、なはおくりあげ、くりおろす也と、是筒と雲は、打廻しのことお雲と見へたり、按に、もとは打廻しの縄ばかりなるお、木おあみて付は後製成べし、然ればしめ縄とするも、一利有といへども、此縄は桁お柱に付るまでにて、あげさげする縄にあらず、今打廻しと雲は、産衣後注のごとし、樫お用て是お作る、其木お小猿と雲、一つにあみつらねたるお打廻しと雲、