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甲子夜話
四十九
朝川鼎が話に、豊太閤の朝鮮お討れしとき、後に自ら渡海あるべしとて、その船お造る、船最も巨大にして日本と称せしが、大坂落城の後、神君これお津侯の祖高虎に賜ふ、高虎其称お憚りて、名お伊勢丸(○○○)と改め、高虎在世の間に、江都に回運すること三度、それより解きたヽみて、今は庫中に蔵して、尚ほ現存すと雲、