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甲子夜話
四十三
第三十八巻に、琉球の使、東都へ参向のことお録す、そのとき薩侯は、陸路よりして豊前の大里に抵り、琉人は海路お経て赤間関に赴く、その道、予〈○松浦清〉が城北の迫戸お過ぐ、因て外廓に出て船行お望む、〈○中略〉きく薩摩のいろは船(○○○○)とて、四十八の船ありて、いろはの文字お旗にしるすと見え、その旗お竪つ、然ども此船行の前後、已に数艘通船せり、因ていろはの全きお見ず、