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太平記
二十二
大館左馬助討死事附篠塚勇力事
篠塚、〈○中略〉其夜の夜半計に、今張浦にぞ著たりける、自此舟に乗て、隠岐島へ落ばやと志し、船やあると見るに、敵の乗棄て、水主(○○)計残れる船数たあり、是こそ我物よと悦て、冑著ながら浪の上五町計お游ぎて、ある船に岸破と飛乗る、水主梶取驚て、是は抑何者ぞと咎めければ、〈○下略〉