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洞房語園異本考異

古へは揚屋の挑灯の棒は、十手の様にて鉄也、茶屋は木の棒、舟宿は縄お用ひたりとかや、其頃舟宿といふ者は百姓にて、雨天の折から、客お送り来るには、多く蓑笠お著たり、舟宿は大門お限りにて、門内へ入らざる古実なれば、揚屋遊女屋までも、来ることは無理也、遊女屋、揚屋、茶屋は同坐せず、揚屋、茶屋は、舟宿と同席せざりしが、今は此事なし、