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視聴草
九集九
御船唄
御代永く
〈だし〉御代永く、民も豊に住ければ、〈つけ〉いざうちよりて、うたひ酒もり遊ぶもの、〈だし〉池のみぎはに鶴とな亀が、あゝつるとな亀が、うたひさへづり舞遊ぶ、〈三〉さえづりなさへづり、うたひうたひ、さへづりまひ遊ぶ、〈だし〉ひちくかん竹、なは竹の竹よ、〈つけ〉あゝはちくの竹よ、千々お重て、すえながく、〈三〉かさねてな、重てな、千々お、〈つけ〉千々おかさねてすへながく、〈だし〉君は千代ませ、御代おの松よ、〈つけ〉あゝ御代おの松よ、いつもかわらぬ、若みどり、〈三〉かはらぬな、かはらぬいつも、〈つけ〉いつもかはらぬ、若みどり、