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太平記
十四
将軍御進発大渡山崎等合戦事
執事武蔵守師直馳廻て、〈○中略〉暫閑まり給へ、在家おこぼち、筏に組で渡らんずるぞと下知せられければ、さしも進みける兵、げにもとや思けん、軈て近辺の在家、数百家お壊ち連て、面二三町なる筏おぞ組だりける、