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秉燭譚

大車小車の事
論語の大車小車お、大きよ、小しやとよみ来れり、韻会お考るに、車に両音あれども、大小に因てかはることはなし、顔氏家訓お按ずれば、古は車の字お唱遮の反に呼ぶ、漢已来、乃居(○)と雲、俗語には則唱遮反と雲々、琅邪代酔編に、張鼎思が考には、詩の北風篇に、莫赤匪狐と雲々、携手同車と、則 音もと居の音ありと雲々、しかればしやときよとは、古今の異音にて、今日は通じて唱遮の反に呼が宜しきなり、大車小車、もとよりわけてよむべきにあらず、