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栄花物語
二十五/楚王の夢
かんのとの〈○尚侍藤原嬉子、中略、〉五日〈○万寿二年八月〉うせ給ひて、六日夕、法興院にわたらせ給ふ、〈○中略〉殿の御まへ、〈○嬉子父道長〉御とのごもらぬまゝに、うちおはしましつる、御車の前板といふものにおしかゝりて、何ごとにかあらん、うちなきて、泣く〳〵の給ひつゝ、あかさせ給ふ、