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今昔物語
二十八
頼光郎等共紫野見物語第二
今昔、摂津守源の頼光の朝臣の郎等にて有ける、平の貞道、平の季武、の公時と雲ふ三人の兵有けり、〈○中略〉而る間賀茂の祭の返さの日、此三人の兵雲合せて、何かでか今日物は可見きと謀けるに、〈○中略〉今一人が雲く、下簾お垂て、女車の様にて見むは何にと、今二人の者、此の義吉かりなむと雲て、〈○中略〉如此して行く程に、三人作ら酔ぬれば、踏板(○○)に物突散して、烏帽子おも落してけり、