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古今著聞集
十二/武勇
同朝臣、〈○源義家〉若ざかりに、ある法師の妻お密会しけり、件の女の家、二条猪隈へんなり、〈○中略〉法師のたがひたる隙おうかゞひて、夜ふけて、かの堀のはたへ車お寄せければ、女桟敷のしとみおあげて、すだれお持あげゝる、其時とびの尾(○○○○)より越入にけり、堀の広さもまうなりけるに、上様に飛入けん、早業の程、凡夫の所為にあらず、