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壒囊抄

車〈の〉わは数ある物歟、又其字如何、
老子経曰、三十(みその)輻共一轂(こしき)、嘗其無有車之用、是お註古(するに)車に三十輻あり、一月に法、一轂お共にすとは、輻中に輻あり、衆輻共に湊(あつまる)と雲り、是は道教心虚無自然道お談ずる故に、轂中虚に輪間透てめぐる事お得お以て、除情去欲、心お空しからしめば、道に協べきに喩へたり、注に、古へにはと雲お以て知、又今の車は輻は減ずるなるべし、当時車は輪木八板ありて、輻数廿四枚也、輪木一〈に〉、や各三おさす也、仍三八廿四也、車おば奚仲と雲者始て作ると雲へり、輻字おやと読也、但雑車は輪七枚有て、やのかず廿一枚也、