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蛙抄
車輿
輦車〈号手車是也〉
脱屣之日、奮主退于別宮之時、或用此車有例、太子又乗用之、親王乗之例有之歟、又執政臣並大臣高僧等、聴而乗之、〈輦車之宣旨是也〉諸司二分、冠緌褐白狩袴葈脛巾引之、〈○中略〉或抄雲、不蒙二箇〈○輦車牛車〉之宣旨人は、於宮城門下車、〈今按宮城門と雲は十二門、並に上東上西門事也、〉高談雲、讃岐院〈○崇徳〉御位お避て令出内裏給に、御手車寄、例車根に寄たりければ、せばくて無可乗用之様りければ、令猶予給ける程、法性寺殿、〈○藤原忠通〉令参給、牛車は、そばおこそよすれと被申たりける時、そばお寄たりければ、広くて令乗給てけり、〈○中略〉手車は輪のちいさくて、そばの広くて、前は、せばき物なり、