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古事談
三/僧行
宗頼卿、為家長者之時、勧修寺八講之捧物に引牛車と雲々、而成宝僧都受牛車、厳親別当入道、三け度まで乞けれど、遂に惜而不与、仍禅門忿怒及放言雲々、此事お台蓮坊、〈成頼卿入道〉於高野聞之、被詠一首歌、
椎の輪はつみはじめける車かな乞もおしむもうしとこそきけ〈椎輪は大路之物と雲々〉
○按ずるに、大路之物は、大輅之始の誤ならん、文選の序に、若夫椎輪為大輅之始、大輅寧有椎輪之質とありて、註に、椎輪、古桟車、大輅玉輅とあり、