蛙抄

車輿

檳榔車〈毛車是也〉
親王、執柄、大臣、納言、参議、散二三位、皆用之、〈古者、僧綱乗之、〉女房又乗之、〈賀茂祭女使、並入内出車等、納言参議皆献之、車副牛童雨皮持等如例、〉親王以下、束帯直衣共乗之、箱 無物見有開戸、〈前後有高欄〉棟表袖表左右、各覆檳榔有腰蓑、親王以下無差、内方棟及左右各有格子、下張粉紙、
簾 濃蘇芳竹、紫編糸、錦縁七緒、〈裏縁紫唐綾、或白〉親王以下無差歟、縁七に、中左右の端と中央両所と四筋は付簾、其間の三筋は不付簾、崎に有金物、
下簾 蘇芳末濃、納言以上懸之、参議已下不懸之、長九尺五寸、表晴の糸あり、一幅に三所三釘さし也、但裏表同様に可指也、是有表裏也、差別は以裏為表懸車、依有憚也、件糸上程少分、蜷に結之、糸の長さ当車簾中尺程也、三中、抄も二幅あるお右幅の左端一尺余り下お取て、筒貫の端に夾、左又同之、其簾お巻に、上七八寸許より下簾お取加て巻上之、後方不挟也、
畳 繧〓縁、有引懸筵、前後同差繧〓縁、
鞦 平畝鞦、以上親王、以下無差、
榻 親王大臣、黄金物、大中納言参議等、黒金物、納言大将等、半蔀、網代車、八葉車等は散物、毛車は鉄のなまし金物也、家例如此、牛童持之、
綱 白布打之、三打に長く打て、二重に取て中央に付、別緒其緒お牛鼻に付て、車副二人、左右に張之、
両皮 表裏平絹浅木、三位以上無差、緯の左右妻に入結縄、以之付雨皮付金物、〈今案〉退紅仕丁持之、