[p.0837][p.0838]
三条家装束抄


庇車
院、皇太子、摂関大臣、親王、是お用ゆ、又半庇などいふ車あり、網代の庇の類なり、雨眉網代庇車、或記に、執柄並に太政大臣是に乗る、他の大臣是お用ひずと雲り
其様
屋形の上白き網代、〈同色の文あり、鞆絵、〉庇の上同く白き網代、〈文なし、四の角に折金物あり、〉袖白き網代、〈漆画お以て大鞆おかく〉物見の下、例の網代、〈文小鞆〉袖の内、立連子あり、〈朱の細きめんあり〉其下例の連子、庇に朱の垂木お懸る、〈璫の金物なし、璫黄土おぬる、〉庇と物見との間、内外に横連子あり、〈朱の細めんあり、角ごとに折金物あり、〉物見の板、〈外には簾お綵色、内には遠山霞鶴などお画けり、〉立板、〈小葵の綾お張て四季の絵おかく、左の前春、同後秋、右の前夏、同後冬、〉下張、〈白色の紙はりつけ〉簾、〈青組の糸、五緒一つ文、藍革の縁、文小鞆、裏の縁青き唐綾、上緒革崎お入、〉物見の簾、〈組糸並に裏縁前のごとし、青地錦の縁小文、二枚別に組懸紐二筋あり、〉畳、〈大文の高麗縁、京筵、〉下簾、〈青き下濃〉鞦、〈絹総紅〉榻、〈黄金物〉