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源平盛衰記
四十六
頼朝義経中違事
鎌倉殿、〈○源頼朝〉仰せけるは、〈○中略〉九郎冠者、〈○源義経〉先おのみかけけれ共、終にうすで一つも負はず、平家お誅罰して、天下お鎮めたるは神妙なれども、〈○中略〉何ぞ弟の身として、仙洞〈○後白河〉の御気色よければとて、頼朝に不合申、推て五位尉になること、奇怪也、又立ふち打たる車(○○○○○○○)に乗、禁中花色の振舞、以の外に過分也、