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平家物語
十一
一門大路わたされの事
同じき〈○文治元年三月〉廿六日、平氏の生どり共、鳥羽に著て、やがて其日都へ入て大路おわたさる、小八葉のくるまの、ぜんごのすだれおあげ、さゆうの物見おひらく、大臣殿〈○平宗盛〉は浄衣おき給へり、