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方丈記
援に六十の露きえがたに及びて、更に末葉のやどりお結べることあり、〈○中略〉其家のありさま、よの常ならず、広は僅に方丈、高さは七尺がうち也、所お思ひ定めざるが故に、地お占めて作らず、土居おくみ、打おほひおふきて、つぎめごとにかけ金おかけたり、もし心にかなはぬことあらば、やすく外に移らんが為也、其改め造る時、幾ばくの煩かある、積む所、僅に二両なり、車の力おむくふる外は、更に他の用途いらず、