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輿車図考

半蔀車
ひきかけむしろ(○○○○○○○)は、まへのかたに一つ、うしろのかたに一つあるべし、さなければ乗下の用おなしがたし、ひきかけむしろ、引たてむしろ(○○○○○○)ともいふ、車に乗下するに、車のうちより榻のあたりまで垂るゝやうに引出すなり、前板なんどのちりおよくる料なるべし、彼愚昧記雲、応安四年五月七日、〈問答〉主人下車之時、榻役人前駈、可入轅内否相尋之、不可然、自轅外可立榻之由答了、而今度前駈、入轅内開輦戸、引出引立筵立榻了、仍有加難之輩等雲々、猶可然、主人も前駈も無案内之所致也、下車之時は、主人手自、輦戸の指金おはづして、引立筵以足踏出也、仍於榻者、自轅外立之者也、これらおみてもしるべし、