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大鏡
二/太政大臣基経
御いへは、堀川院と閑院とにすませ給ひしお、〈○中略〉堀川院は地形のいといみじき也、大饗のおり、殿ばらの御車のたちやうなどよ、尊者の御車は、川よりひんがしにたて、うしはみはしのひらきばしらにひきつなぎ、ことかんだちめのくるまおば、川より西にたてたるがめでたきお、尊者の御車の、べちにことに見ゆるは、こと所は侍らのものおやと見給ふるに、〈○下略〉