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大鏡
五/太政大臣伊尹
花山院は、風流者にこそおはしましけれ、〈○中略〉あて御えあそばしたりしさまにけうあり、さははしりくるまのわには、うすゞみにぬらせ給て、おほきさのほどやなどしるしにはすみおにほはせ給へりし、げにかくこそかくべかりけれ、あまりにはしる車は、いつかはくろさのほどやは見え侍る、