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聚楽第行幸記
抑そのかみの行幸、いくたびといふことおしらず、此度〈○天正十六年四月〉は北山殿〈○足利義満〉応永十五年、室町殿〈○足利義教〉永享九年の行幸の例とぞきこえける、鳳輦牛車、その外の諸役以下、事も久しくすたれたる事なれば、おぼつかなしといへども、民部卿法印玄以奉行として、諸家のふるき記録故実など尋さぐり、相勤らる、