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長門本平家物語

あるとき法皇、〈○白河〉得長寿院に御かうなりたり、八十有余ばかりなる老僧の、かうべには雪おいたゞき白髪おひ、額には四海の波おたゝみ、腰ふたへにして、杖にすがり蓑笠きたるが、ひらあしだはきて総門より来りんす、〈○中略〉さるほどに、既に御供養の日にも成にければ、彼聖のもとへ四方ごしおむかへにつかはす、