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貞丈雑記
七/輿
一ぬりごしと雲は、漆ぬりのこし也、こしおうるしにてぬるには、赤くも黒くも色おつけず、うるし計にてぬる也、〈古是お赤うるしと雲也、今の世のためぬりと雲物也、〉
一ちよくれん(○○○○○)は、ぬりこしの事也、年中諸大名へ御成記に、御ちよくれんとて、常の御ぬりごしにて御参内も在之雲々、ちよくれんは、直輦と書なるべし、〈走衆故実には、御直簾とあり、簾の字は非なるべし、〉