[p.0961]
婚礼問答
こしは白木のこしたるべく候哉、如何、〈○中略〉御こしには、すだれの内に、下すだれおかくる、下すだれとは、すゞしの絹に、ふとく横筋お青く染め、又は、すそごなどに染て、上すだれのうちより引とほして、上がへお上へなして、こしのやねの如く、むねおたてゝかくる也、下の方のうらに綱おぬひ付て、下るおいなのつなと雲、白黒又は白紅になひまぜにして、先にふさお付る也、すそのきぬも、いなの綱も、ながえの外へ出してさげ申候、上のすだれの下より、長くさがり出る也、すだれは、高位の女房衆、かけらるゝ也、九所七所がな物のこしには、すだれの外にかくるなり、これおみせぎぬ(○○○○)と雲、五所のこしには、みせぎぬもかけ申さず候、下すだれの長さ、高位の人のは六尺たるべし、其次は五尺六寸、但何も一方の長さ也、両方合て一丈弐尺、又其次は一丈一尺弐寸也、すそごとは、すそ程色お段々こくする也、