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枕草子
十一
御経のことに、あすわたらせおはしまさむとて、〈○中略〉今ぞ御こし出させ給ふ、めでたしと見え奉りつる御ありさまに、是はくらぶべからざりけり、朝日はる〴〵とさしあがるほどに、木の葉のいと花やかにかゞやきて、みこしのかたびら(○○○○○○○○)の色つやなどさへぞいみじき、御つな(○○○)はりて出させ給ふ、御こしの帷子の、うちゆるぎたるほど、まことにかしらの毛など人のいふは、さらにそらごとならず、