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憲教類典
三之三十六/乗物
年号月日不知
陪臣乗物駕籠願之覚
行年五十歳以後願之、但家老は乗物、其外共駕籠免許也、
一右願之事、其主人書付お以て、月番之御老中〈江〉被申達之、御老中より御目付衆〈江〉被仰渡、月番之御目付衆之宅にて、願之者誓詞血判いたし、相済也、
一御老中〈江〉願之証文
江戸詰家老之 姓氏仮名
右私家老に而御座候、御当地差置、用事申付候、当年何十何歳に罷成候、何病気に而、馬上之勤難相協御座候に付、乗物被遊御免候様奉願候、以上、
年号月日 堀周防守居判
宛所なし
附榊原式部少輔よりは、月番御老中お注ざるよし也、
一右之趣、其向寄之御目付衆〈江〉様子被相尋候上にて、如左認之、堀田筑前守御用番之由お以て被達之候処、件之趣御目付衆〈江〉被仰達之候間、向寄之御目付衆〈江〉願之者差越、誓詞いたさせ可然候由御差図也、
一御目付衆〈江〉願之者指越時書札案
一筆致啓上候、私家来何某と申者、当年何十何歳に罷成候、御当地差置用事申付候、持病眩暈、其上不歩行御座候而、馬上難協御座候間、其身誓詞被仰付之、乗物御赦免被成可被下候、恐惶謹言、年号月日
宛所御目付衆不残記之、但月番之衆お先に注之由、猶折紙也、
一願人誓詞案
起請文
私儀何十何歳に罷成候、何持病御座候間、馬上に而は奉公難勤御座候間、依之周防守方より、乗物御赦免之御断申上候通御座候、右之趣於偽申上者、
式目之神文、猶牛王に血判、但宛所御目付衆、不残様書也、
右は御目付衆一人之前に而血判し、それより御礼として、御目付衆不残廻る、