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塩尻
十四
〓 石土お運ぶ器、但字の声いかヾぞや、字書に笰の字あつて音払、爾雅に輿革の後お謂之笰、郭璞曰、以韋包後戸也雲々、もし此字なるか、按ずるに、今の俗にいふ、あんだ(○○○)にして、此頃山かごと(○○○○)いふもの、是より作り出せしとかや、中世まで、貴人は牛車、及び長柄のこしにのれり、今武家の大人、よのつね皆かごにのれり、是野俗より起れる故か、礼のすたれたる事久し、おしむべきかな、