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守貞漫稿
後集三/駕車
京坂垂(○)〈れ〉駕籠(○○) 京坂市民専用之すること、江戸の四つ手の如し、因に雲、江戸は吉原及其他柳巷ともに路遠きが故に、往くに専ら四つ手お用ひ、其疾きお旨とす、江月の地広きに応ずる也、大坂は地広からず、花街柳巷ともに路近お以て、往くにかごお用ふる人無之、帰路のみ用之は、雨天或は深更又は銘酊なれば也、故に舁之甚だ静お賞し、習之夫鉢に水お盛り乗て稽古す、又小田原提灯も江戸用より小形にて、駕籠の棒端に釣る、