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嬉遊笑覧
二下/器用
六尺は、中川喜雪がしかた咄に、乗物の棒は一丈二尺の物なり、それお二人してかたぐるにより、二つにわれば、六尺なり、〈○中略〉これ普通の説と知らる、さりながらかゝるものは、大漢お好とすれば、六尺とは雲なるべし、今も駕籠舁ならぬ小者に、六尺といふ者もあれば、駕籠の棒によるにあらず、桜陰比事に、勝手も人ずくなに仕るべき覚悟、六尺一人、腰元づかひの女一人、隙お出しと、いへるも、かご舁にはあらず、