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昔昔物語
一むかしは、小身二百石、三百石位の衆の奥方、母義息女、遠方は不及申、近所へも歩行にて行事なし、皆乗物なり、乗物舁の人足等にかゝする事決してなし、手前の中間に脇差さゝせ、人少之時は、親類中よりかり、万一夫にても不足の時は、町人足一人交て舁す、