[p.1042][p.1043]
守貞漫稿
後集三/駕車
京坂市民常にかごお用ふること希なるお以て、駕籠屋(○○○)と称へ、是のみお業とする家は、唯諸遊里に在るのみ、中にも島の内八幡筋と字する所は、一町の間駕籠屋のみ住す、市中に散在して駕籠お舁轎夫者多しと雖ども、唯業お専と働き、或は水汲お常の業とするの類にて、求に応てかごおも舁く、又常所持はする也、蓋市中にもかごのみの業なきに非ず、是は得意の医家等ある者也、