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古事記伝
十三
日八日夜八夜、八日は八夜に対ひたれば、耶比と訓べきが如くなれども、猶耶加と訓べし、中巻倭建命段歌に、迦賀那倍氐、用邇波許々能用、比邇波登袁加袁、これ夜に対へても、日は伊久加と雲証なり、〈さて八日は、古今集などに耶宇加と見え、常にも然いへど、そは音便にて、耶お延たるものにて、古言の正しき例には非ず、六日お牟由加と雲も同じ、されば耶加牟加と書て、耶宇加牟由加と読はさもあるべし、〉