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佐喜草
月日おかく事 すこしくはしくいひてよからんには、む月のついたち比、〈又はついたちばかり〉みな月のもちばかり、しはすのつごもり比〈又はつごもりかた〉などヽかくべし、〈(中略)ついたち頃は上旬の事、望ばかりは中旬のこと、つごもり比は下旬の事なり、今いふついたち、つごもりとはことなり、ついたちの日、つごもりの日といふは、いまとおなじ、〉又む月かみの十日ばかり、みな月の中の十日ばかり、しはすのしもの十日ばかりともかくべし、〈又む月の十日あまり、みな月の廿日あまりなどともかくべきなり、さてついでにいはん、今の歌人の、む月のはじめの五日ほどやうにかくは、ひがごとなり、こはたヾいつかとかくべし、はじめといふまじき也、十五日廿五日お、中の五日、下の五日とかくなども、ことわりはさる事なれど、そはいかヾなり、〉