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明良洪範

或時伏見にて神君、〈〇徳川家康、中略、〉先生〈〇藤原惺窩〉に御尋有しは、毎月朔望の礼は如何成故と問給ふ、先生、是は日月の明お尊ぶより、朔日は日の始お祝ひ、十五日は月の満るお寿くより起れりと答申さる、然ば日月並に星おも祝ふ可き義也と有しに、さればこそ廿八日お廿八宿に値てて星の終りとて、漢土にては祝ひ申事の由申されしかば、以後我家の礼おも定められる可と仰られし由、