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倭訓栞
前編二十五比
ひさし 久およめり、ひさにとも、ひさヽとも見ゆ、神代直指抄に日去の義といへり、霊異記に淹およめり、出羽にては、ひやし(○○○)といふ、華巌経維摩経に久如と見ゆ、こは幾時といふに同じ、関西、関東に口語にいふは、やつと(○○○)といひ、又えつと(○○○)といふ、出羽によつぱる(○○○○)といふ、世遥(はるか)の意なるべし、