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万葉集抄

世間乎(よのなかお)、何物爾将譬(なににたとへん)、旦開(あさぼらけ/あさびらき)榜(こぎ)去師(ゆく/こし)船之(ふねの)、跡無加如(あとなきがごと)、この歌の中の五文字、古点にはあさぼらけと点せり、此詞ふるくはあさひらけ(きい)といひけりとみえたり、〈◯中略〉あさひらきといへる、なにのきヽにくヽ、あはざる心あれば也、あさぼらけと点したるとおぼつかなし、