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公事根源
十一月
朔旦冬至     一日
是は、十一月一日の、冬至にあたるおいふなり、廿年に一度まはる事にて、めでたき祥瑞なるによて、そのとしは、主上南殿に出御なりて、旬お行はる、公卿賀表お奉る事など有、神亀二年十一月に、天皇大安殿に出御にて、冬至の賀辞おうけ給ふよし、国史にのせたり、我朝のみにあらず、異国にもためし有事なり、年中行事にもあらず、あながちしるすべきにはあらねども、日おさだめたる事なれば、筆のついでに十一月一日の事に、いさヽかしるしくはへ侍るなり、