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栄花物語
二十五峯の月
かんの殿〈◯後一条后藤原威子〉のは、七月にあたり給て、御はらいとふくらかにくるしげにみえさせ給、〈◯中略〉かくてこヽろのどかにしばしおはしまさせまほしう、大宮〈◯上東門院藤原彰子〉もとのヽ御まへ〈◯藤原道長〉も、おぼしめしたれど、あきの節分(○○○○○)に、いととくいりぬべければとて、七月〈◯万寿二年〉三日うちにかへらせ給、