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本朝歳事記

六月十六日、此日かじやうといふ事あり、歌林四季物語にいはく、かじやうは嘉祥とかきて、仁明のすべらぎ、承和の比ほひに、御代のさか行ことお祈らせおわして、賀茂上の御屋しろにたてまつりて、御はらひなど、なしそめ給へり、六月十日余り六日なん、吉日なるよし、御うらの人々、かうがへ申せばとて、此日おこなはれ、年号おもあらためて、嘉祥とものせしかば、ながく此事嘉祥と、ねんがうによりてさだめられしと、当社県主、賀茂の道幹が日記に侍る、〈◯下略〉