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改元物語
元和年中、京師大火あるに由て、京童部の癖なれば、元和の定は、げむくわと読むべしなどのヽしるにより十年に当る時改元あつて寛永(○○)と号して、寛永の年号めでたく二十年お歴たり、然ど街説にはうさ見ること永しなど雲しとなん、此年号のうち台徳公薨じたまひ、又今の本院即位ましませども改元に及ばず、