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偽年号考
凡年号は、朝廷の命ずる者にして、武将の預る処にあらず、然れ共当時国柄武家に在お以て、朝廷これお武家に議して、後天下に行はる、故に実は朝家の定むる所といへども、天下に行ふものは、武家の令に出るお以て、鎌倉これお奉ぜざるに至る也、正長二年改めて永享とす、鎌倉これお用ひず、正長の号お行ふ事三年にして、後に永享に従ふ、〈神明鏡に出たり〉