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長等の山風附録

此事孝徳紀に見えず、広成宿禰の家伝にぞありけむ、本朝月令、年中行事秘抄、公事根元等にも、此文おひかれたり、然るに古語拾遺一本に、白鳳お白雉と作るがあるは、後人の書紀に拠りて、私に改めたるものなり、其一本お除ては数本悉白鳳とあるが上に、月令等の古書に、引載たるにも、白鳳とあり、又西宮記〈◯中略〉十月宰相行列の条に、菅簦(おほがさ)雲々、白鳳制雲、三品已上聴菅簦雲々と記されたり、この白鳳も孝徳の御世なるべし、