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公事根源
正月
元日節会、〈◯中略〉また腹赤の贄とて、魚お筑紫より奉るなり、昔は軈て節会などに供じけるにや、腹赤の食様とて、くひさしたるおみな取渡して食たり、景行天皇の御宇、筑紫の国宇土の郡長浜にて、海人是お釣て奉る、其後聖武天皇の御時、天平十五年正月十四日、太宰府より是お奉けるよりして、年毎の節会に供ずべき由定置たるなり、腹赤とはますと申魚の事なり、